こんにちは。

東和クリニックの石川です。

テニス肘について

病院で勤務していると、テニスで肘を痛める方を多く診ます。
痛みの出る部位は肘の外側が多く、肘の内側が痛いという方も時折いらっしゃいます。

今回は、テニス肘と言われている外側上顆炎の発生機序、そして予防をお伝えしようと思います。

「昔は肘に痛みなんて出た事がなかったのに」まさにその通り。

若い頃は関節可動域が広い事から筋肉自体の柔軟性もある為、運動後の筋疲労は翌日には持ち越す事は少ないです。

現在の我々は、負担をかけずプレーをする事の方が大切であり、疲労を翌週まで持ち越す事なくどの様にしたらいいのかを考えながらプレーをしていかなければならないと思います。
一言で言えば、「1箇所に負担をかけるのではなく、全身で動かしてあげる」です。

なぜ痛みが??

まず、なぜ肘にストレスがかかって痛みが出るのでしょうか。ここから解説していこうと思います。
日常生活で肩、肘、手、指が同時に動く事で物を把持し、動作の遂行が可能となります。

その動きの際に各関節を細かく見てみると、手関節と肩関節は回すという言葉がある様に二軸性・多軸性の関節構成をしています。しかし、肘関節と指関節はドアの蝶番の様に曲げと伸ばしの一軸性の動きしか出来ません。

テニスではラケットを常に把持している為、指関節自体の動きはほとんどありません。よって,単関節である指関節への負荷というのは限定的です。

ストロークの際に手肘肩関節の全てが同時に動きますが、肘関節は手関節と肩関節の間にあり、上腕二頭筋など大きく長い筋肉を使用して簡単に出力を上げられる事ができる関節です。そして一軸性の関節の為、動かしやすいというのも特徴です。

フォアハンドでのストロークは肘関節を曲げて出力を出し、手関節、肩関節でミートさせる為にコントロール程度の出力をする。逆にバックハンドの際は肘を伸ばしながら、胸を張り肩関節を引いて手関節をあまり動かさず打ち返すのがいいと言われています。
この事から肘関節の運動負荷量は他の関節より高い関節だと考えています。

予防について

次に予防についてです。
これらは基礎かもしれませんが、再度確認をしてみて下さい。

ラケットは強く握り過ぎない

ラリーが続く事でグリップを強く握ってしまうかもしれません。
するとガットからの衝撃が手関節・肘関節へと持続的に掛かります。指を曲げる筋肉は肘から始まり手関節を構成し指の腹に付いています。
指の中は筋肉でなくスジなので把持動作の全ては肘周囲の筋肉が収縮しスジが引っ張られて指が動く構造になっています。 よって、その衝撃は手関節を構成しているスジから肘関節に停止している筋肉にストレスがかかり筋肉側の肘に疲労が蓄積される事で違和感の原因になり得ます。軽く握る様に心がけてみて下さい。

テイクバック時の肩甲骨可動域を拡大

リターンをする際に肩甲骨を意識して背中から腕を押し出す様に動かして下さい。
肩関節は肩甲骨を主体に構成されており、体幹、肩甲骨、上腕、肘、手と繋がっています。 意識をしないとテニスは末梢の手にストレスが連続してかかる為、肩甲骨自体の可動域が乏しい事で肘の運動に頼りざるを得なく、肘関節にストレスがかってしまいます。
両手を後ろで組んで、胸を張るなど肩甲骨周囲筋のストレッチと筋力強化で肘関節へのストレスを緩和させる事ができるので実施してみてください。

頭の上から首体幹、股関節をイメージ

ストロークの際に腕を使ってリターンをするのではなく、頭のてっぺんから尾骨までの背骨の縦軸をイメージして、独楽が回っている様に軸回旋をしながらリターンを心がけてください。
言葉で言うのは簡単なのですが、これは下肢・体幹筋力がないと維持は難しいです。 ラリーで左右に振られ腕を伸ばせば伸ばすほど、体が曲がってしまい体幹軸回旋のイメージが崩れやすくなります。
まずは練習の時に、お尻の筋肉を意識し股関節を使って、胸・体幹をひねり過ぎず、面を保ったまま打ち返してみて下さい。 余裕があれば腹筋を意識して、肘を動かすのではなく背中の肩甲骨を意識してストロークしてみて下さい。

まとめ

テニス肘と言われている外側上顆炎の予防は、肘関節周囲筋のストレス負荷量を減らす事です。
その為には、下肢、臀部、体幹、肩甲骨周囲の可動域改善と、出力を向上させ常に意識する事で予防をする事ができます。
上の3つを心がけてこの夏の暑さとテニス肘への不安感を乗り越えましょう!  


理学療法士 石川徹 (Ishikawa Toru)

千葉県成田市・藤リハビリテーション学院卒業

筑波記念病院・千葉西総合病院・船橋整形外科にて実習を経て

埼玉県八潮市・八潮中央総合病院

東京都墨田区・墨田中央クリニック勤務後

2016年より東和クリニック勤務

 

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