みなさん、こんにちは。

東和クリニック浦東院の児玉です。

新型コロナウイルス感染症のアウトブレイクによる生活の制限も減ってきたことに加えて天候も温暖になったため、いよいよスポーツを楽しめる季節になってきましたね!
ただし、冬の自粛期間中にナマってしまった身体をいきなり酷使することは避けるようにせねばなりません。身体が発する危険信号を適切にキャッチしながら生涯スポーツを楽しんでいただきたいと思います。

肩関節痛について

さて、ある研究によるとテニスによる傷害発生部位で最も多いのは「膝」だとされています。では、2番目に多いところはどこでしょうか?

答えは「肩」です。

実はテニスで発生する傷害で病院を訪れる患者さんの15%は肩の不調を訴えていると報告されています。
これはストロークによる衝撃の蓄積やサーブなどの際のオーバーヘッド動作の繰り返しにより肩関節とその周囲の損傷が起こることが原因とされています。

こうした繰り返し動作は、肩関節の筋肉群、関節を包む関節包にダメージを蓄積させます。
特に肩を取り巻く腱板は肩甲下筋・棘上筋・棘下筋・小円筋と呼ばれる筋肉で形成されていますが、肩の上げ下げ、回旋、腕の開閉といった複雑な動きを担当する重要な機能を担っています。
軽い腱板損傷であれば自覚しないこともありますが、それでもいずれは4人に1人は何らかの症状を自覚するようになると言われています。

どんな症状?

よく認められる症状としては、腕を上げ下げ時に肩に強い痛みが出たり、痛めた肩を下にして横になることができなくなったりすることです。
特に夜間の痛みが強い場合に腱板損傷を強く疑うことになります。また、肩を動かした時に引っ掛かるような感じ、コリっと音が鳴るようになった場合にも注意が必要です。
このような障害を防ぐためには、適切な対策を行っておかなければいけません。
最も重要なことは、前述の腱板を形成する4つの筋肉(インナーマッスル)を鍛えることです。

トレーニング方法

簡単な方法として、チューブを用いたトレーニングがあります。
両手でチューブを持って肩幅よりもやや広く開くようにチューブを引っ張るように負荷をかけます。
これは、1セット10回を1日2、3回くらいでも十分に効果が出ます。
トレーニング用のチューブが無い場合は、タオルで代用しても良いでしょう。
同様に肘を曲げながら開くという運動も効果的です。
こちらは柱とタオルがあれば簡単にできますので、試してみてください。

 

ストレッチ方法

次に重要なことはストレッチです。テニスのような激しい運動は肩を酷使するため、ストレッチによるプレイ前のアップとプレイ後のダウンは非常に重要です。特に週に複数回プレイする方は、十分なストレッチをしておかなければ筋肉や関節の回復が遅れることでダメージが蓄積していくことになります。
基本は関節の可動域を十分に保つようにすることです。ターゲットになる筋肉によってストレッチの方法は微妙に変わりますが、下記の写真のような屈曲・内転・外旋などは1人でも比較的簡単にできるかと思いますのでぜひ試してみてください。

また、力強い肩の動きを実現するためには安定した下半身が不可欠です。
股関節を有効に動かすことができれば、肩に不要な負担をかけることなくプレイが可能になります。
股関節の上手な使い方については、以前に当院理学療法士の石川先生が解説していますので、ぜひ見返しておいてください。https://glowingta.com/towaclinic-vol-3/

その上で正しいフォームを身に付けることができれば、かなりの確率で肩の痛みを防ぐことができるでしょう。
特に体幹を使わずに手打ちのようなサーブを打っていると肩を痛めやすくなります。
これを防ぐためには、定期的にコーチにチェックをしてもらう、または鏡の前でのセルフチェックが必要です。
また、練習仲間に携帯電話で高速連写の写真を撮ってもらって確認してもらうことも良いでしょう。 症状がなかなか取れない、辛いと感じる場合は、がまんすることなく早く病院を受診するようにしてください。
関節唇損傷や骨棘の形成などが痛みの原因となっていることもあるため、画像検査は非常に有用です。
また、インナーマッスルの機能評価のために肩甲骨の可動域を確認するためのレントゲン検査を行うことで早く問題を解決できるようになります。

病院での治療

治療としては、まず消炎鎮痛剤と呼ばれる湿布や塗り薬の処方を行うことになりますが、効果が不十分の場合には飲み薬を追加することもあります。
また、日常生活に支障を来すほどの強い症状や大事な試合を控えている場合には筋膜や腱膜付近にトリガーポイント注射という痛み止めの注射を行ったり、関節内に局所麻酔薬と抗炎症薬を注射することもあります。

しかし、一番重要なことは症状を確認して、運動負荷を控える期間を決定すること、運動再開後の段階的トレーニングについて一緒に考えていくことになります。
前述したようなトレーニングやストレッチはあくまでも一例でしかありません。患者さんの状態を評価した上で、最適の方法を助言させていただきます。
肩の痛みが強くなると、荷物を持ち上げる、髪をとかす、ズボンにベルトを通すなどの日常動作にも影響が出てきます。また、デスクワークや家事のパフォーマンスも低下してしまいます。
楽しい上海生活を送るためにも、しっかりと肩のケアを行っていきましょう。

東和クリニックでは、つらい肩の痛みについて積極的に治療を行っていますので、お気軽にご相談ください。  

 

東和クリニック 浦東院勤務

Dr.児玉 貴光  (Kodama Takamitsu)

自治医科大学医学部卒業
市立輪島病院内科勤務
公立能登総合病院 救命救急センター医長
聖マリアンナ医科大学 救急医学助教  

連絡先

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